MENU
当宮の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策方針をご覧ください >

雑草という草はない

昭和天皇が留守中に、お住まいの庭の草を刈った侍従の入江相政に天皇は尋ねられた。

「どうして草を刈ったのかね?」

入江は、ほめられると思って、
「雑草が生い茂って参りましたので、一部お刈りしました。」

と答えた。すると天皇は、

「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決め付けてしまうのはいけない。注意するように。」

と諭された。

(入江相政「宮中侍従物語」

有名なお話しですね^^

そして、大好きなお話しです^^

当宮の境内にも、この雨で草達が生い茂ってまいりました^^

草って、すごくお話し好きで、すごく健気で、刈るのが忍びないのが本当のところですが、雑草を嫌うお方もいらっしゃいますし、そろそろ刈らなければならないのかと憂いでおります。

(何故こんなに可愛い子達を、邪魔にするのだろう・・・)

(綺麗だし、酸素を出して地球を守ったり、生命体の命を保持してくれるとってもありがたい存在なのに・・・)

と、毎回鎌を持ち出しては可愛い草達を前に断念して、奮起して、断念しての繰り返しです^^;

一番胸が痛む作業ですね;;

もちろん、それぞれの世代間や時代色によっての価値観や美観意識の違いもあり、誰もが良かれと思っている【善意】には違いありません。

しかし、人間の一方的な物の見方で「邪魔」と決めつけるのは少し早いと思っています。

以前、田植えや稲刈りを手伝わせていただいたとき、畦(あぜ)に草が生えているかいないかで大きく違うことを知りました。
草が生えている畦は、ぬかるんでいても崩れませんが、草が生えていない畦は、簡単に崩れてしまいます。
踏まれて嬉しい草はいないでしょうが、踏まれても踏まれても丈夫に育つ草達によって、人間の作業はサポートされています。

また、草達は、広く強く伸びる根で、土を耕し、土壌をふわふわにして、他の植物が育つお手伝いをしてくれます。
これまでの常識は雑草は他の植物の栄養を取ってしまうために排除しなければならないというものでしたが、ドキュメンタリー映画「奇跡のリンゴ」のモデルでいらっしゃいます木村秋則さんは、大変なご苦労の中、不可能と言われた林檎の無農薬栽培に成功します。それには、草達の存在や普通なら駆除されてしまう動物達の存在が不可欠でした。

側で自然なままの自生する草の中で育てていた野菜も、無農薬で無肥料なのに驚くほど大きくまた驚くほど美味しいことを発見します。

草に対する知識や常識が覆る映画ですので、是非ご覧くださいませ^^

 

ある時は、大阪で大きな地震があった時も、草達が根のネットワークで地盤を守ってくれて、当宮はまったく被害がありませんでした。

草達の力はそれだけではありません。

日光や雨からの情報を受け取って、雨が多くなる年には背が高くなったり他の植物が育たない土壌なら草も育たなかったりと、人間が生きていくために様々なことを教えてくれています。

その知識は、【人間が万物と共に生きよう】と行動し、心を寄せれば、簡単に得られる気付きでもあります。

特別な能力は必要ありません。誰にでもある、【感謝】と【愛情】という人間の素晴らしい能力だけで十分なのです。

 

是非、殺生をする前には、この殺生が本当に必要なのかを熟慮してみましょう。

人類の【万物との共存】への道のりはまだまだ遠いですが、その一歩一歩が必ず未来へ繋がります。

後を生きる方々へ、どのような地球を残して差し上げられるか、常に今を生き生かされる私達にかかっています。

 

新型コロナウイルス感染症予防対策として、現在、すべての御祈祷受付を『完全依託制』のみのご対応に限定しております依託制御祈祷については《御祈祷の依託制度のご案内》をご参照ください。 感染症対策への当宮の方針は《COVID-19対策への当宮の方針》 各行事の中止等の報告は《令和二年〜三年 一般参加行事の運営状況》をご覧ください。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

心の泉

心の泉《宮司のコラム》 当宮や神社や神道などのことをはじめ、生命を育む暮らしと生き方への心のエッセイとして、神道の真髄を精神に探求し続け『神道の奥に息づく真心』をお伝えする宮司のコラムです。

信仰とは、産まれ生かされる美しき感謝の在り方。宗教や思想などの垣根を越えて八百万の神々という【万物】と共に在り続けた『神道』とはなにか。『神社』とはなにか。『祈り』とはなにか。古来から守り培われて来た愛を知ってみませんか?

「生かされ生きる」とはどういうことだろう —— それをほんの少しでも知るだけで、大きな安心や幸福感、日常の感謝につながります。—— 感謝の波は生きるこころの泉を満たします。