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2017-12-03

形あるものを超えて

先日、少し遠方から御年80歳代後半のご婦人が見えました。
御子息にも先立たれ、御自身がご親族で最後のお役目のために、お元気なうちにきちんとなさりたいということで、神道でお祀りしている離婚した元嫁ぎ先のご先祖の御霊と御霊舎をお持ちになり、ご希望通りに御神前で最後のお祭を執り行いました。

前以てご相談にお越しくださった際、私は留守で主人が御霊をお預かりしたのですが、その報告を受けていると、脳裏に恵比寿様のようなお姿が浮かびます。とってもお優しい福々しい笑顔で後光が差し、小脇にはお魚とお酒を抱え、釣竿も持っておられたので、てっきり恵比寿様だと思ったのです。

お祭の最中、その恵比寿様のようなお方が、「今日まで、本当にありがとう。形は無くなっても、これからも変わらずにそばにいるよ。」とおっしゃるのが私の耳元で聞こえるんですね。

こんなとき、しっかりとお伝えするのが聞いた者の誠意かと、終わってから特徴を踏まえてご婦人にお話ししておりますと、そのお方は別れたご主人のお父様で、すごく可愛がってもらい、何故神道に改宗したかというと、お父様はお魚が大好きで、なんと、、、、お魚を食べたかったから!だったのです。(元々ご先祖様をご供養なさっていらした仏教の宗派では生臭いものはお供えできないとのこと)

失礼ながら、私もこれをお聞きして、思わず笑ってしまいました。^^

釣りも大好き!お酒も大好き!本当に優しい、大好きなお父様だったと。

どおりで恵比寿様と見間違ってしまうほど似ておられたわけですね。^^

そのお姿をわざわざ私にお伝えくださったご婦人の元舅様に、楽しいユーモアを感じます。

素敵なお話を聞かせてくださり、ご縁の素晴らしさや人と人との間に通い合う愛のあたたかさに触れ、私はかけがえのない幸せを分けていただいたような思いがし、涙がこぼれました。

深々とお辞儀をしてお帰りくださいましたが、私の方こそ本当にありがとうございました。


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